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【ママライター講座作品④】「桐生八木節祭り」のしたたかな魅力/木村あやか


「桐生八木節祭り」のしたたかな魅力     木村 あやか

 

桐生に「八木節祭りが無かったら・・・想像したくもありません。

群馬県桐生市といえば、「ボートレース」とか「織物」のイメージでしょうが、生まれも育ちも桐生市の私にとって、「八木節祭り」こそが、この町の魅力の全てなのです。

 

老若男女問わず、夢中になって踊る

 

「桐生八木節祭り」は、桐生市では年に一度の一大イベントです。

市街の商店街を十字状にメイン通りとし、屋台が約2.5キロもの距離を連ねます。祭り期間は、その約2.5キロもの通りが歩行者天国となり、道路には間隔を開けて5台のやぐらが組まれます。

正午から開催され、日中には定番の神輿やお囃子が町を練り歩きます。また、名産の繭をかたどった、まゆ玉ころがしなるものや、織物を生かした仮装パレードも人気です。

夜になると、この祭りの目玉といえる「八木節おどり」が始まります。

各箇所のやぐらに八木節の演者が上がり、横笛を皮切りに軽快な演奏が始まります。すると、そのやぐらを囲んで大勢の人たちが八木節おどりに夢中になります。

年配から幼い子まで、まさに老若男女問わず、夢中になって踊るのです。踊りの輪に入れば、見知らぬ人であろうが、たちまち祭りの仲間に。

踊りを知らなくても、下手でも、踊っている人たちは誰もが笑顔。そこには年齢も性別も国籍もない一体感が生まれます。

盛り上がりの激しいやぐらでは、踊れているのか分からないほどの人が群がり、やぐらを囲む輪は何重なのかもわからない状態に。

最終日ともなると、踊り足りない人たちが、やぐら上の演者にアンコールの嵐。それに応える演者もまた粋なものです。

この桐生八木節祭りに対する市民の熱い思いは、桐生の魅力そのものです。

「この祭りなくして桐生は語れない」のではないかと私は思います。

 

年に一度、桐生を甦えらせる

 

お世辞にも活気があるとはいえない桐生の商店街。

以前は多くの商店が並び、活気ある商店街でしたが、現在はシャッターが下りたままの店が多く、町を歩く人もまばらです。

ところが、不思議なことに、祭りが近づくと、衰退した商店街は息を吹き返したかのように賑やかになります。

商店街に提灯や笹などの飾りが施され、道路の端に屋台が組まれ始めると、一気に町が色めき立ち、桐生の商店街に賑わいが甦ります。「この祭りがある以上、桐生は大丈夫だ」と思えるほどです。

“蛙の子は蛙”というように、子供たちも皆この祭りが大好きです。

八木節おどりは、市内の大抵の小学校で教わるので、小さな子供たちも踊れる子が多い。自分の子供が八木節を踊る姿を初めて見たとき、何とも嬉しい気持ちになりました。親子代々、この祭りが伝承されていくことに老若男女問わず、“夢中になって踊る喜び”を感じました。

この祭りは桐生の魅力であり、桐生を魅了してくれる祭りです。年に一度、桐生を甦えらせる、不思議な力があります。日本各地の有名な祭りには劣ってしまうのでしょうが、私たち桐生市民には、この八木節祭りが一番の魅力に思います。

地元の魅力を聞かれて、まず祭りを思いついた自分を「まだ子供なのだ」と思いました。

しかしその根底を考えると、八木節の伝承、人々の触れ合いを嬉しく思い、地元の活気に喜びを感じる気持ちがあります。そう思うと、あながち子供じみた考えではないのでしょうか。

ただ、地元の魅力として、桐生の魅力を全て詰め込んだ「桐生八木節祭り」を選んだ私は、少ししたたかなのかも知れません。

それとも、「桐生八木節祭り」そのものがしたたかなのでしょうか。

RSS Feed  Posted on 2015-08-12 | Posted in PAPA_MAMA, REPORT | No Comments »

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