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子育てママに可能性を
子育てママに可能性を

 
 桐生の商店街の中心地に、コワーキング&コミュニティスペース「cocotomo(ココトモ)」がオープンして、3月で一周年を迎えました。コワーキングスペースとは、独立して仕事をする人たちが、オフィス機能を共有し一緒に働くことのできるオープンな場所のことです。開設してすぐの頃は、「ここは何屋さんなの?」という声が多かったのですが、一年が経った今では、デザイナー、ライター、学生など、多種多様な方々が集まる場となりました。
 

 NPO法人キッズバレイは、ココトモを拠点に、起業支援や在宅就業支援など、働く選択肢を増やし地域経済の活性化につながる事業を行っています。特に注力しているのが、子育て中のママに向けた在宅就業支援です。2014年に日本最大級のクラウドソーシングサービスを運営するランサーズ株式会社と業務提携し、以来、インターネットを活用した在宅ワークを広めてきました。呼びかけから1年間で、桐生市内外合わせて80名以上の方が、メンバーになってくださいました。仕事内容は、WEBサイトの記事の執筆や、テープ起こし、チラシやポスターのデザインなどパソコンを使った仕事が中心です。フリーランスでも活躍できるくらいの高いスキルを持っている方から、全くの未経験でゼロからスタートされる方もいらっしゃいます。
 

 ある一人のママさんから、最近こんなメッセージをいただきました。

「パニック障害になってからというものの、さまざまなことを諦めてきました。それがキッズバレイのおかげで、色々なことに興味がわき、ものすごく活動的になりました。家族もそうですが、私自身もびっくりしています。」
 

 彼女は、未経験からWEBライティングに挑戦し、今では複数のクライアントから仕事を受注するまでのライターになりました。前向きで、向学心も強く、他のママたちのお手本になるような頼もしい仲間です。
 

 彼女のように、ご自身のこと、家族のことなど、様々な事情で働くことを諦めてしまっている方は、少なくはないのではないでしょうか。私たちの取り組みは、まだまだ売上げ規模は小さいかもしれませんが、新たな可能性が生まれているのは確かだと実感しています。

また、企業側にとっても、限られた人材で高い成果を上げるためには、外部のリソースを活用することが求められています。単純作業のアウトソーシング先として、また、子育て中ならではの発想力の豊かさや、生活者目線での企画づくりやマーケティングとして、win-winのパートナーになれると思っています。
 

 子育て中であっても、中途半端な仕事はしないと皆で決め、仕事と真摯に向き合い、新たな価値を生み出せるコミュニティーとして育てていきたいと思います。


(本文は2016年4月に上毛新聞 視点オピニオン21 に寄稿したものです)